「押入れの使い勝手が悪い」「布団の収納が必要なくなった」といった理由から、押入れのリフォームを検討している人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、押入れをクローゼットにリフォームする方法や費用相場について解説します。
押入れリフォームを成功させるための注意点や、クローゼット以外の活用方法についても紹介しているので、ぜひリフォームの参考にしてください。
押入れをクローゼットにリフォームする方法
一般的に押入れは、布団やシーズンオフの洋服、日ごろ使用しないものの収納スペースとして利用されています。しかしライフスタイルや家族構成の変化によって、押入れを使用しなくなる人も増えてきています。そこで検討されるのが、押入れからクローゼットへのリフォームです。
押入れをクローゼットにリフォームする際は、それぞれの一般的なサイズについて理解しておきましょう。
奥行き | 間口 | |
---|---|---|
押入れ | 80~90cm | 165~180cm |
クローゼット | 45~60cm | 180~230cm |
押入れは布団を収納する目的で作られているため、奥行きがクローゼットより深くなっています。また間口はクローゼットのほうが広いことが多く、両者のサイズの違いを確認したうえで、押入れの奥行きの深さを活かしたリフォームを検討することが大切です。
押入れをクローゼットにリフォームする場合、主に次の3つのパターンがあげられます。
- 一般的なクローゼットへのリフォーム
- ウォークインクローゼットへのリフォーム
- 簡易的なクローゼットへのリフォーム
それぞれのリフォーム方法について、詳しく解説します。
一般的なクローゼットへのリフォーム
押入れを一般的なクローゼットにリフォームする場合には「棚板の撤去」「パイプハンガーの取り付け」「ふすまを扉に交換」の3つの工事が基本となります。
押入れは、棚板で上下に仕切られているため、まずはこの棚板を撤去します。棚板を撤去した後、必要に応じて補修を行い、ベニヤ板や壁紙を張ります。その後、パイプハンガーを取り付け、ふすまからクローゼット用の扉に交換すれば一般的なクローゼットへのリフォームが完了します。
ウォークインクローゼットへのリフォーム
住まいの収納力を上げたい場合は、押入れを拡張してウォークインクローゼットとしてリフォームする方法もあります。
ウォークインクローゼットへ変更する場合は、既存の押し入れを解体し部屋の一部と合わせてスペースを広げる必要があるため、一般的なクローゼットへのリフォームに比べて費用が高く、工期も長くなります。
簡易的なクローゼットへのリフォーム
なるべく費用や工期を抑えて、押入れをクローゼットへ変更したい場合は、押入れの棚板の撤去とハンガーパイプの取り付けだけを行い、簡易的なクローゼットとして活用する方法があります。
和室を残して押入れだけをリフォームする場合は、あえてふすまのまま使用する簡易的なクローゼットを採用するのもいいでしょう。
押入れをクローゼットへリフォームする費用相場
押入れをクローゼットへリフォームする費用は、工事の内容によって異なります。一般的には、以下の金額が目安となります。
工事内容 | 費用相場 | |
---|---|---|
一般的なクローゼットへのリフォーム 8万円~20万円 | ウォークインクローゼットへのリフォーム 30万円~50万円 | 簡易的なクローゼットへのリフォーム 3万円~10万円 |
それぞれにかかる細かな費用相場は、以下のとおりです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
棚板の撤去 | 1万円~2万円 |
壁、床の補強 | 1万円~2万円 |
ハンガーパイプの取り付け | 2万円前後 |
扉の交換 | 6万円~10万円 |
押入れの解体、拡張 | 20万円~30万円 |
押入れをクローゼットにリフォームする工事期間
押入れをクローゼットへリフォームする場合、一般的なクローゼットや簡易的なクローゼットへの変更であれば1~3日程度で工事が完了します。
しかし、押入れの解体や拡張を伴うウォークインクローゼットへのリフォームの場合、施工エリアが広くなるため、工期は2週間~1ヶ月前後と長くなる場合もあります。工期が長くなる場合は、一時的に荷物を収納しておける場所を確保しておきましょう。
押入れをクローゼットにリフォームする際の注意点
押入れをクローゼットへリフォームすると、使い勝手がよくなったり、収納したものの出し入れが楽になったりなど多くのメリットがあります。しかし、クローゼットへのリフォームの際には、事前に知っておくべき注意点もあります。
ここからは、使いやすいクローゼットへリフォームするための注意点について解説します。
押入れの奥行きを上手に活用する
本来、押入れは布団を収納する目的で使用されます。そのため、一般的なクローゼットに比べて奥行きが深いことが特徴です。
- 押入れの奥行き:80~90cm
- クローゼットの奥行き:45~60cm
80cm以上の奥行きは、畳んだ布団を収納する場合には適していますが、その他のものを収納する場合は、奥行きが深すぎるため奥にしまったものが取りにくくなる可能性があります。
そのため、ハンガーパイプの取付位置に注意したり、奥のものを取り出しやすいような設計にしたりするなど、深い奥行きを活用できる設計を意識しましょう。
壁や床の補強が必要な場合がある
押入れの中の壁や床は下地の補強が弱く、表面にベニヤ板を貼ってあるだけの場合も少なくありません。
布団を収納する用途であれば問題はありませんが、クローゼットとしてさまざまなものを収納するようになると、床が重みに耐えられず破損してしまう可能性があります。また壁にハンガーパイプを取り付けた場合も、収納する洋服が増えるほど、壁への負担は大きくなります。
そのため棚板を撤去後に、壁や床の補強が必要になるケースもあります。補強工事には追加費用がかかりますが、安全にクローゼットを使用するためには欠かせない工事です。
結露対策が必要な場合がある
押入れの中は、湿気がこもりやすく、結露やカビが発生しやすい環境です。特に築年数が経過している住宅では、押入れの中や収納していた布団がカビてしまった、という経験も少なくないでしょう。
結露やカビが発生しやすい押入れをクローゼットにリフォームする場合は、断熱材を使用して結露対策を施す必要があります。また、一戸建て住宅の押入れの場合は、リフォーム前に床下にシロアリ被害が発生していないかも同時に確認しておきましょう。
押入れリフォームの費用を抑えるポイント
押入れを一般的なクローゼットにリフォームする場合は、8万円~20万円ほどの費用がかかります。「もう少し費用を抑えてリフォームしたい」「予算が限られているが、クローゼットとして活用したい」という場合には、次のような方法を検討してみましょう。
- ふすまはそのままに、簡易的なクローゼットへリフォームする
- 棚板の撤去を行い、市販のハンガーラックを設置する
- オープンタイプのクローゼットへリフォームする
このようなリフォームは、費用を抑えられるほか、ご自身で使用方法をアレンジできるというメリットもあります。あえてオープンタイプのクローゼットにリフォームし、見せる収納を楽しんでみるのもおすすめです。
クローゼット以外にも!リフォームで押入れ活用例
押入れのリフォームというと、クローゼットへの変更が一般的ですが、ライフスタイルに合わせてそのほかの活用方法も検討してみるのはいかがでしょうか。
ここからは、クローゼット以外の押入れリフォームについて紹介します。
作業スペースにリフォーム
働き方改革やコロナ禍をきっかけに、自宅でテレワークをする人も増えています。これまで自宅に仕事をできる空間がなかった人は、押入れのリフォームで専用のワークスペースをつくるのもおすすめです。
棚板を撤去し壁紙を張り替え、デスクカウンターや稼働棚を設置すれば、自分だけのワークスペースに早変わり。ふすまを引き戸に変更し、使用していない時は扉を閉めることで、室内をすっきり見せることも可能です。
稼働棚やスライド収納へのリフォーム
クローゼットは洋服の収納が中心となりますが、さまざまなものを収納するフリースペースとして使用したい場合は、稼働棚を設置した大型収納へのリフォームがおすすめです。
また、深い奥行きを活かして、スライド収納を造作するのもいいでしょう。
ふすまを張り替えておしゃれにリフレッシュ
「まだまだ押入れとして活用したいけれど、見た目の劣化が気になる」という人は、ふすまの張り替えで押入れをリフレッシュさせてみてはいかがでしょうか。
ふすまを張り替えると、部屋の印象も変わるので、使い勝手はそのままに、イメージを一新させたい場合にもおすすめです。柄物のふすま紙を使用すれば、お部屋のアクセントにもなり、おしゃれな雰囲気に仕上がります。
収納リフォームで失敗しないために信頼できるリフォーム会社に相談しよう
使い勝手が悪くなった押入れは、洋服などを収納しやすいクローゼットにリフォームするのがおすすめです。押入れをクローゼットにリフォームする際は、使用用途や予算に合わせて適切な工事を選びましょう。また押入れのリフォームではクローゼット以外にも、作業スペースや稼働棚へ変更するといった選択肢もあります。
押入れのリフォームでお悩みの方は、まずは信頼できるリフォーム会社に相談してみるのはいかがでしょうか。