「年月とともに和室の劣化が目立ってきた」「和室では使い勝手が悪くなってしまった」などの理由から、和室を洋室にリフォームしたいとお考えの人も多いのではないでしょうか?
そこで、和室から洋室へのリフォームを中心に、リフォームの費用相場やリフォーム時のポイント、注意点などを詳しく解説します。和室を洋室にリフォームした場合のメリット、デメリットについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
和室を洋室にリフォームする費用相場とポイント
和室を洋室にリフォームする費用は、20万~50万円前後が相場になります(6~8畳の場合)。和室の広さやリフォームの内容によっては、50万円以上、100万円以上といった費用が発生するケースもあります。
和室を洋室にリフォームする際は、主に次の5つの工事を行います。
工事の内容 | 費用相場 |
---|---|
畳をフローリングにリフォーム | 10万円~30万円前後 (6~8畳の場合) |
壁紙の張り替えリフォーム | 5万円~10万円前後 (6~8畳の場合) |
床の間を収納にリフォーム | 8万円~20万円前後 |
押入れをクローゼットにリフォーム | 8万円~20万円前後 |
ふすまを洋室建具にリフォーム | 8万円~15万円前後 |
ただし、必ずすべての工事を行うわけではなく、和室の状態やリフォーム後の使用用途に合わせて、適切な工事内容を組み合わせることが一般的です。
ここからは、それぞれの工事の内容とリフォームのポイントについて見ていきましょう。
畳をフローリングにリフォームするポイント
和室の畳をフローリングにリフォームする際は、畳を撤去して下地材を設置し、その上からフローリングを張っていくのが一般的です。畳の上に直接フローリングを設置する方法もありますが、湿気がこもりやすくなるため、あまりおすすめできません。
畳をフローリングに変更する場合は、床の防音性能について注意しておくことが大切です。特にマンションの場合は、使用できる床材の遮音等級が管理規約で定められているため、事前に確認しておきましょう。
また「なるべく費用を抑えたい」という場合は、薄い木材シートや化粧シートを貼り合わせた「複合フローリング」を選ぶ、フローリングではなく「クッションフロア」を選ぶ、といった方法もあります。
壁紙の張り替えリフォームのポイント
和室の壁紙には、和紙や天然素材を使用した「和風壁紙」が採用されているケースもあります。そのままでも機能的には問題ありませんが、インテリア性を重視するのであれば、洋室に似合う壁紙に張り替えるのもおすすめです。
また一戸建て住宅の和室では、柱よりも壁を薄くして柱を露出させる「真壁」が採用されていることもあります。真壁の和室を洋風壁紙に張り替える際は、耐火ボードを貼るなどの方法で、壁の厚みを調整する作業が必要になり、費用もその分高くなります。
床の間を収納にリフォームするポイント
床の間とは、花や置物、掛け軸などを飾るために、和室の客間に設置されているスペースです。近年では和室を客間として使用する機会が減ってきたことから、床の間を有効活用できなくなっているケースが増えています。
床の間を収納に変更する場合は「クローゼットへのリフォーム」「カウンターの設置」などが一般的です。最近では、床の間にカウンターを設置して、テレワーク用のスペースリフォームする人も増えています。
押入れをクローゼットにリフォームするポイント
和室を洋室にリフォームし、子供部屋や個室として使用する場合は「押入れのままでは、使い勝手が悪い」と感じることも少なくありません。
その場合は、押入れのふすまを交換し、中の棚を撤去してハンガーパイプを取り付けることで、クローゼットにリフォームする方法がおすすめです。また、押入れは一般的なクローゼットに比べて奥行きが深いため、スライドレールを設置して引き出し収納として活用することもできます。
ふすまを洋室建具にリフォームするポイント
和室のふすまを洋風建具にリフォームする際は、次の3つのパターンがあげられます。
- 引き戸にリフォーム
- 開き戸にリフォーム
- ふすまを撤去してリビングダイニングとつなげる
ふすまの枠を活かして洋風建具に交換したい場合は、引き戸へのリフォームがおすすめです。引き戸であれば、バリアフリー化もしやすく、将来に向けたリフォームに適しています。ただし、もともとのふすまの枠に段差がある場合、段差のない引き戸にするためには枠を交換する必要があります。
ふすまから開き戸にリフォームする際は、基本的には枠ごと交換するため、引き戸へのリフォームより費用が高くなる傾向があります。ただし、開き戸は気密性や断熱性に優れているので、リフォーム後の部屋を個室として使用したい場合には適しています。
また中和室の場合、ふすまと間仕切り壁を撤去して、隣接するLD(リビングダイニング)とつなげて広い空間をつくる方法もあります。
【価格帯別】和室リフォームの内容
和室を洋室にリフォームするための工事には、さまざまなものがありますが「予算が決まっている」「なるべく費用を抑えてリフォームしたい」という場合は、価格帯からリフォーム内容を検討してみるのもおすすめです。
ここからは、価格帯別に可能な和室リフォームの内容を紹介します。
30万円未満の和室リフォーム
30万円未満の和室リフォームでは、完全な洋室へのリフォームが難しく、床や壁紙の張り替えが中心となります。
- 畳をフローリングにリフォーム
- 壁紙を洋風壁紙に張り替え
この価格帯のリフォームは、極力費用を抑えて、和室を洋室として使用したい場合におすすめです。ただし「押し入れはそのまま使用する」「押入れのふすまを取り外して、ロールスクリーンを設置する」「出入口のふすまはそのまま使用する」など、一部和室としての機能が残った状態になります。
30万円~60万円未満の和室リフォーム
30万円~60万円未満の和室リフォームでは、フローリングや洋風壁紙への変更に加えて、以下のような工事が可能になります。
- 床の間を収納にリフォーム
- 押入れをクローゼットにリフォーム
- ふすまを洋風建具にリフォーム
押し入れや床の間も、洋室向けの収納として有効活用できるようになります。建具も変更すれば和室としての要素はなくなり、完全な洋室として使用できるでしょう。
60万円以上の和室リフォーム
- 一戸建ての和室を洋室にリフォーム
- デザイン性にこだわった洋室にリフォーム
一般的に戸建ての和室は、真壁が採用されていたり床構造が洋室とは異なっていたりします。そのため、マンションの和室を洋室にフルリフォームするよりも、費用が高くなりやすいでしょう。一戸建ての和室(特に築年数が経過している場合)を洋室にリフォームする際は、60万円以上の費用を見積もっておくのが安心です。
また、ハイグレードの壁紙を使用したり、無垢フローリングを使用したりと、デザイン性や機能にこだわった洋室にリフォームしたい場合も、費用が高くなります。
和室リフォームにかかる期間
和室から洋室にリフォームする期間は、工事内容によって異なりますが、畳からフローリングへのリフォームで3~5日前後、壁紙や建具のリフォームに3日前後、床の間や押入れをクローゼットに変更するリフォームに3日前後かかります。
和室をフルリフォームして洋室に変更する際は、1週間前後の期間を見ておきましょう。
和室を洋室にリフォームするメリット
和室のリフォームでお悩みの方は、和室を洋室にリフォームするメリットについて理解しておくと、リフォームするべきかどうかの判断材料になります。
ここからは、和室を洋室にリフォームするメリットについて、詳しく解説します。
掃除やメンテナンスが楽になる
和室の床材である畳は、水分がしみこみやすく、飲み物をこぼしてしまったりするとシミが残ることもあります。また日々のお手入れに加えて、定期的に畳を干す必要があり、メンテナンスを怠るとカビが生えてしまう可能性もあります。
それに比べて洋室のフローリングは、水分をこぼしてもふき取るだけで掃除ができ、日々のお手入れも簡単です。
使用用途が広がる
和室は衝撃で壊れやすい障子やふすまがあるため、子供部屋としては使いにくいという特徴があります。またインテリア小物も和室に似合うものしか置けないため、部屋としての使用用途が限られてしまうでしょう。
洋室にリフォームすることで、さまざまなインテリアとの相性がよくなります。さらに子供でも扱いやすい収納や建具に変更すれば、子供部屋としても活用可能です。
家具の設置がしやすくなる
表面がやわらかい畳は、重たい家具を置くと凹んで跡が残ってしまいます。そのため設置できる家具が制限されてしまうのも事実です。
床材をフローリングに変更し、洋室にリフォームすれば、大型の収納家具やベッドを設置することもでき、部屋としての使い勝手がよくなるでしょう。
間取りによっては広い空間をつくれる
マンションで採用されていることが多い「LD(リビングダイニング)と隣接する中和室」の使用用途でお悩みの場合は、洋室にリフォームすることで、広い空間づくりを実現できることもあります。
ふすまを撤去して中和室とLD(リビングダイニング)を繋げ、フローリングや壁紙をLDに合わせてリフォームすれば、ひと間続きの広々とした空間として活用可能です。ふすまを可動式の壁に変更して、使用用途に合わせて間取りを変えられるようにするのもおすすめです。
和室を洋室にリフォームするデメリット
和室を洋室にリフォームした場合、さまざまなメリットがありますが、同時に理解しておくべきデメリットも発生します。
ここからは和室を洋室にリフォームした場合のデメリットについて、詳しく解説します。
費用がかかる
ご紹介した通り、和室を洋室にリフォームした場合には、20万~50万円前後の費用がかかります。リフォームの内容によっては、50万円以上や100万円以上になるケースもあります。
リフォームの目的に合わせて工事の内容を精査し、事前に予算を決めておくことが大切です。
足元の寒さを感じやすくなる
フローリングは畳に比べて、足元が冷たく感じやすくなります。寒い季節はスリッパをはいたりラグを敷いたりする工夫も必要でしょう。
どうしても寒さが気になる場合は、リフォームの際に床暖房を検討してみるのもひとつの方法です。
生活音が響きやすくなる
畳は音や衝撃を吸収しやすいため、フローリングに比べて防音性が高い床材です。そのため、洋室にリフォームした結果「階下へ足音が響きやすくなった」というケースも少なくありません。
特にマンションの場合は、管理規約で定められた遮音等級を守る必要があります。和室から洋室にリフォームする際は、床の防音性にも配慮しましょう。
和室リフォームで失敗しないために信頼できるリフォーム会社に相談しよう
和室の劣化や使い勝手の悪さに悩んでいる方は、洋室へのリフォームを検討してみるのもおすすめです。和室を洋室にリフォームする際は、床材や壁紙の変更に加えて、押入れや床の間のリフォーム、建具のリフォームといった工事が考えられます。
そのため、リフォームする部屋の使用用途や予算に合わせて、適切な工事内容を選択することが大切です。和室のリフォームをお考えの方は、まずは実績豊富なリフォーム会社に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。