家族構成やライフスタイルの変化によって「リフォームで子供部屋をつくりたい」「和室を洋室にリフォームしたい」など、住まいのひと部屋だけのリフォームを検討している人も多いのではないでしょうか?
そこで、ひと部屋だけのリフォーム費用の相場やリフォームのポイントなどを紹介します。リフォームの予算や工事内容でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
ひと部屋だけのリフォームが求められるケース
住まいのひと部屋だけをリフォームしたいというケースは、主に次のような場合です。
- 子供の成長やご高齢のご家族との同居など「家族構成」が変化したとき
- 趣味を楽しむ部屋が欲しいなど「ライフスタイル」が変化したとき
大がかりなリフォームをしなくても、住まいのひと部屋だけを希望に合わせてリフォームすれば、想像以上に暮らしが便利で快適になるかもしれません。まずは、ひと部屋リフォームが求められる具体的なケースを見ていきましょう。
子供部屋を分けたい
ひと部屋リフォームで多いのは「子供部屋」のリフォームです。お子さんが小さい頃は、兄弟や姉妹でひと部屋の子供部屋を共有しているご家庭も多いでしょう。
しかし、お子さんが成長してくると「しっかり勉強できるスペースが欲しい」「子供のプライバシーも尊重してあげたい」などの理由から、子供部屋を分けたいと考えるケースも少なくありません。
もともとひと部屋だった子供部屋を分けるためには、間仕切りや稼働壁の設置といったリフォームが考えられます。
和室を洋室にしたい
マンションや建売住宅のスタンダードな間取りには、和室が組み込まれているケースも珍しくありません。特に多いのが、リビング横に配置されている中和室です。
小さなお子さんがいるご家庭では、子供のプレイスペースやお昼寝スペースとして和室を活用できます。
しかし、お子さんが成長してくると、学習デスクやベッドを置ける洋室のほうが便利に感じたり、またお子さんが独立したあとやご夫婦2人暮らしのご家庭では、和室の使い道に悩んでしまったりといったケースもあるでしょう。
和室に使いにくさを感じたときは、思い切って洋室にリフォームしてしまうのもひとつの方法です。
洋室であれば、子供部屋や書斎としても活用しやすいでしょう。また、和室とリビングの間の間仕切り壁を撤去して、リビングを拡張するリフォームもおすすめです。
防音室をつくりたい
お仕事や趣味の関係で、自宅で楽器の演奏をしたい方は、住まいのひと部屋をリフォームして「防音室」をつくるという選択肢があります。
防音室の設置には、ひと部屋全体の防音工事を行う方法と、組み立て式の防音室を設置する方法があげられます。
使用頻度の低い和室や、使っていない子供部屋などを防音室にリフォームすれば、他の部屋で過ごすご家族や、近隣の住宅への音漏れの心配もなくなります。
介護に適した部屋をつくりたい
介護が必要なご家族のために「介護に適した部屋にリフォームしたい」というケースもあります。
具体的には、介護専用のベッドや車いすを使用しやすいように、畳からフローリングに変更したり、車いすでも出入りしやすいドアに変更したりといったリフォームがあげられます。
ただし、介護を意識したリフォームを検討する場合は、ひと部屋だけではなく、家全体のバリアフリー対応なども考えることが重要です。
ひと部屋のリフォーム費用の相場は?
ひと部屋をリフォームする際の費用相場は、部屋の広さや工事内容によっても異なります。一般的な内装リフォームであれば、6畳で16万円~30万円前後、8畳で20万円~35万円前後が費用の目安です。
ここからは、工事内容別にリフォーム費用の相場をみていきましょう。
壁紙の張り替え費用
壁紙の張り替え費用は、部屋の広さと壁紙のグレードによって異なります。
6畳~8畳のひと部屋であれば、スタンダードグレードの壁紙なら5万円前後、ハイグレードの壁紙は5万円~10万円前後で張替え可能です。
部屋の広さ | スタンダードグレード | ハイグレード |
---|---|---|
6畳 | 4.3万円~5.3万円 | 5.3万円~8.1万円 |
8畳 | 4.9万円~6.2万円 | 6.2万円~9.5万円 |
ただし、壁紙の張り替えリフォームでは、室内の養生や廃材処理、荷物の移動などの作業も発生するため、上記費用相場に10,000円〜20,000円前後の諸費用がかかるのが一般的です。
フローリングの張り替え費用
フローリングの張り替え費用は、部屋の広さとフローリングの種類、張り替え方法によって異なります。
部屋の広さ | フローリングの種類 | 張り替え工法 | 重ね張り工法 |
---|---|---|---|
6畳 | 複合フローリング | 11.5万円~16.5万円 | 7万円~12万円 |
無垢フローリング | 15万円~22万円 | 10.5万円~17.5万円 | |
8畳 | 複合フローリング | 15万円~21.5万円 | 9万円~15.5万円 |
無垢フローリング | 19.5万円~28.5万円 | 14万円~23万円 |
天然の木材から切り出した一枚板を加工した無垢フローリングは、あたたかみのある風合いが魅力ですが、価格が高い傾向にあります。
また、既存のフローリングをはがしてから張り替える方法に比べて、既存のフローリングの上から新しいフローリングを張る「重ね張り工法」のほうが費用は安くなります。
間仕切り壁・稼働壁の設置費用
間仕切り壁や稼働壁を設置すれば、子供部屋を2つに分けることも可能です。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
間仕切り壁の設置 | 20~30万円 |
稼働壁 (引き戸タイプ) | 30万円~50万円 |
稼働壁 (アコーディオンタイプ) | 5万円~20万円 |
引き戸タイプの稼働壁は「用途に合わせて間取りを変えたい」「将来的に再び部屋を広々使いたい」といった希望を叶えてくれますが、間仕切り壁よりも設置費用が高くなる傾向にあります。
費用を抑えながら稼働壁を設置したい人は、アコーディオンタイプを検討してみるのもおすすめです。
和室から洋室へのリフォーム費用
和室から洋室へのリフォームの場合、畳をフローリングに変更するだけでも使い勝手が大きく変わります。
また、完全に洋室として使用する場合は、畳からフローリングへの変更にプラスして、壁紙の張り替えや押入れからクローゼットへの変更、ふすまからドアへの変更などを行うため、総額で60万円以上の費用がかかるのが一般的です。
工事内容 (6畳~8畳) | 費用相場 |
---|---|
畳からフローリングへの変更 | 10万円~40万円 |
和室を洋室にフルリフォーム | 60万円以上 |
防音リフォームの費用
防音リフォームには、ひと部屋丸ごと防音工事をする場合と組み立て式のユニットタイプの防音室を設置する場合があります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
防音工事 (6畳) | 400万円前後 |
防音工事 (8畳) | 450万円前後 |
組み立て式 (ユニットタイプ) | 50万円~300万円 |
防音工事は、床材や壁材などを防音機能のあるものに変更したり、窓やドアを防音性能の高い製品に交換したりと、比較的大がかりな工事になります。そのため、費用相場も400万円~450万円前後と高くなります。
費用を抑えながら防音室を設置したい場合は、組み立て式 (ユニットタイプ) の防音室という選択肢もあります。費用は50万円~300万円前後と幅広く、製品のグレードによって異なります。
ただし、組み立て式の防音室は、防音工事を施した防音室よりも遮音性能は低くなります。
【費用別】ひと部屋リフォームの工事事例
ひと部屋のリフォームには、さまざまな工事がありますが、予算に合わせてリフォームをしたいとお考えの方もいるでしょう。
そこで、ここからは費用別にひと部屋リフォームの工事事例を紹介します。
50万円未満のひと部屋リフォーム
50万円未満のひと部屋リフォームでは、6畳や8畳の洋室の内装リフォーム (壁紙、フローリングの張り替え) が可能です。
また、子供部屋に間仕切り壁や稼働壁を設置して、2部屋に分ける工事も検討できるでしょう。ただし、壁の設置と同時に内装リフォームも行う場合は、費用が50万円を超えるケースもすくなくありません。
50万円以上~100万円未満のひと部屋リフォーム
50万円~100万円のひと部屋リフォームとなると、使用していない和室を子供部屋や介護用の部屋に変更することもできます。
また、兄弟姉妹で使用していた子供部屋に間仕切り壁を設置して、同時に内装リフォームして室内を刷新することも可能です。
100万円以上のひと部屋リフォーム
100万円以上の価格帯では、防音室へのリフォームなどが中心になります。
和室から洋室へのリフォームでも、10畳以上の広さがあったり使用する壁紙や床材にハイグレードなものを選んだりすると、100万円近い費用がかかる場合もあります。
ひと部屋リフォームの工事期間
工事内容 | リフォーム期間 |
---|---|
内装リフォーム (壁紙、フローリングの張り替え) | 2日~4日 |
間仕切り壁・稼働壁の設置 | 1週間前後 |
防音工事 | 1週間~2週間 |
防音室設置 (ユニットタイプ) | 1日 |
内装リフォームや間仕切り壁の設置など、部屋のリフォームを行う際は、工事期間中はリフォームする部屋を使用できません。
工事の期間は工事内容ごとに異なりますが、使用できない間の過ごし方や荷物の保管についても、事前に確認しておきましょう。
ひと部屋だけリフォームする際のポイント
住まいのひと部屋をリフォームして、暮らしをもっと快適にするためには、リフォーム前に次の3つのポイントをチェックしておきましょう。
使用用途や将来の使用方法を考慮する
リフォームする部屋の使用用途によって、工事内容は変わります。
例えば、和室を洋室にリフォームする場合でも、書斎として使用するのと子供部屋として使用するのとでは、適した内装や収納などが変わってきます。
また、子供部屋を2つに分けるリフォームでも「将来的にはまたひと部屋に戻す可能性がある」といった場合は、間仕切り壁ではなく稼働壁を選択するほうがいいかもしれません。
部屋のリフォームをする際は、使用用途と将来の使用方法までじっくりと検討したうえで、工事の内容を決めましょう。
あらかじめ予算を決めておく
部屋のリフォーム費用には、ある程度の目安はありますが、使用する壁紙やフローリングのグレードによって、価格が大きく変動することも少なくありません。
そのため、あらかじめ予算を明確にして、予算に応じたグレードの素材を選ぶのがおすすめです。
マンションの場合は、管理規約を確認する
マンションの場合、住民が個人でリフォームできるのはマンションの「専有部分」に限られます。
部屋は居住空間のため基本的には専有部分ですが、壁内部の躯体部分は共用部分に該当します。そのため「和室を洋室にリフォームすると同時に、エアコンを新設したい」など、躯体部分に通気口を開ける工事は、原則不可となります。
またマンションによっては、躯体部分に影響を与える防音工事もできない場合があります。
マンションにお住まいの方は、リフォームの前に必ず管理規約を確認して、実施可能なリフォーム工事の内容を把握しておきましょう。
ひと部屋リフォームで失敗しないために信頼できるリフォーム会社に相談しよう
家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、住まいのひと部屋だけをリフォームすると、マイホームが今よりもっと快適になるかもしれません。
ひと部屋だけのリフォームを検討する際は、部屋の使い道や将来的な活用方法を考慮したうえで、適切な工事内容を選ぶことが大切です。
住まいのリフォームでお悩みの方は、まずは実績豊富なリフォーム会社に相談することから始めてみてはいかがでしょうか?