家族との団らんや安らぎのひと時を過ごせるリビングは、住まいの中心的な空間です。年月を経過したマイホームを見直したいとお考えの方は、リビングのリフォームを検討してみるのはいかがでしょうか。
この記事では、リビングのリフォームについて工事内容や費用相場などを詳しく解説します。リビングリフォームの事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
リビングリフォームの種類と費用相場
リビングのリフォームには、内装変更から間取り変更まで幅広い工事内容があり、それぞれ費用相場が異なります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
壁紙 (クロス) の張り替え | 10万円~18万円 (15畳~20畳のリビングの場合) |
フローリングの張り替え | 35万円~53万円 (15畳~20畳のリビングの場合) |
仕切り壁の撤去 | 10万円~35万円 |
隣接する和室のリフォーム | 50万円~ (6畳の和室の場合) |
床暖房の設置 | 50万円~110万円 ※温水式床暖房の場合は別途 25万円~100万円 |
部分的なリフォーム工事であれば、50万円以下で抑えられることもあります。しかし、複数の工事を組み合わせてリビングを一新する場合は、200万円や300万円以上の費用がかかる場合も少なくありません。
そこで、まずはそれぞれの工事内容と費用相場について、詳しく見ていきましょう。
壁紙 (クロス) の張り替え
- 費用相場:10万円~18万円 (15畳~20畳のリビングの場合)
リビングは日常生活の中で、長い時間を過ごす空間でもあります。壁紙 (クロス) の張り替えは、室内の雰囲気を一新して明るいリビングにリフォームすることが可能です。
> おすすめ記事:壁紙の張り替えリフォームの費用相場は?壁紙選びのポイントや張り替えのタイミングを紹介
壁紙の張り替え費用は、壁紙のグレードと張り替えの面積によって計算されます。
- スタンダードグレードの壁紙:800~1,000円/㎡
- ハイグレードの壁紙:1,000~1,500円/㎡
一般的なリビング・ダイニングの広さを15畳~20畳とすると、張り替え費用の目安は以下のとおりです。
スタンダードグレード | ハイグレード | |
---|---|---|
15畳 | 7.2万円~8.9万円 | 8.9万円~13.4万円 |
20畳 | 8.7万円~10.9万円 | 10.9万円~16.4万円 |
さらに壁紙の張り替えでは、張り替え費用のほかに養生費用や廃材の処理費用、荷物の移動費用などがかかります。それらの諸費用を含めると、15畳~20畳のリビングの場合、10万円~18万円が費用相場となります。
フローリングの張り替え
- 費用相場:35万円~53万円 (15畳~20畳のリビングの場合)
フローリングのリフォーム費用は「フローリングの種類」と「リフォーム方法」によって異なります。
> おすすめ記事:フローリングの張り替え費用はどれくらい?床材の種類やリフォームのポイントを紹介
フローリングには「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類があり、同じ面積をリフォームするのであれば、天然木を贅沢に使用した無垢フローリングのほうが価格が高くなるのが一般的です。
またフローリングのリフォーム方法には「張り替え工法」と「重ね張り工法」の2種類があります。
張り替え工法とは、既存のフローリングをはがして、下地の補修などを行った上で、新しいフローリングを張る方法です。それに対して重ね張り工法とは、既存のフローリングの上から新しいフローリングを重ねる方法です。
それぞれの費用相場は、以下のとおりです。
張り替え工法 | 重ね張り工法 | |
---|---|---|
15畳 無垢フローリング | 35万円~44万円 | 28万円~34万円 |
15畳 複合フローリング | 31万円~37万円 | 22万円~28万円 |
20畳 無垢フローリング | 46万円~58万円 | 33万円~53万円 |
20畳 複合フローリング | 42万円~48万円 | 29万円~35万円 |
隣接する和室のリフォーム
- 費用相場:50万円~ (6畳の和室の場合)
リビングリフォームの中でも近年多く採用されているのが、隣接する和室を洋室にしてリビングを拡張する工事です。
日本の一般的な住宅の間取りでは、リビングの横に中和室が隣接しているケースがよくありますが「和室では使い勝手が悪い」「客間用として用意したが、ほとんど使っていない」といった理由で、洋室にリフォームしてリビングの一部として活用する人が増えているのです。
隣接する和室のリフォームでは、次のような工事を行います。
- 畳をフローリングに変更
- 壁紙の張り替え
- 床の間や押入れをクローゼットに変更
- ふすまや仕切り壁を撤去
ただし、和室の広さやリフォームの内容によっては100万円前後の費用がかかる場合もあります。
床暖房の設置
- 費用相場:50万円~110万円
※温水式床暖房の場合は別途25万円~100万円
床暖房を設置する費用は、設置方法と床暖房の種類によって異なります。
床暖房の設置方法には「直貼り」と「全面張り替え」の2種類がありますが、費用を抑えられるのは既存の床材の上の床暖房を設置する「直貼り」です。「全面張り替え」の場合は、既存の床材を撤去するため、その分費用が高くなります。
また床暖房には「電気ヒーター式」と「温水式」の2種類があります。
電気ヒーター式は設置費用が安くメンテナンスしやすいというメリットがありますが、光熱費が高くなりやすいです。温水式は、床下の配管や給湯器の工事が必要になるため、設置費用が高くなりがちですが、光熱費にはあまり影響がありません。
ただし、設置費用とは別に、床暖房用の熱源機の設置費用がかかります。
リビングリフォームの工期
リビングのリフォーム工期は、工事内容によって異なります。短いもので数日以内、長いものでは1週間以上かかる場合もあります。
- 壁紙 (クロス) の張り替え:1日~4日
- フローリングの張り替え:2日~5日
- 仕切り壁撤去:4日~8日
- 隣接する和室のリフォーム:5日~7日
- 床暖房の設置:2〜4日
リフォーム期間中は、リビングを使用することはできません。また、複数の工事を組み合わせた場合は、さらに工期が長くなるため、事前に室内での過ごし方などを検討しておきましょう。
【費用別】リビングのリフォーム事例
ここからは、費用別にリビングのリフォーム事例を紹介します。予算に合わせて、どのようなリフォームが可能なのか、具体的に見ていきましょう。
【50万円以下】フローリングを張り替えて気になる生活音対策も
もともとカーペットだったマンションのリビングを、フローリングに張り替えました。
マンションで重視される「遮音性能」の高いフローリング材を選ぶことで、気になっていた生活音も心配なくなりました。
採用したフローリング材は、スピーディーに施工ができるタイプだったので、費用も予算内に。ひび割れや摩擦に強く、ホットカーペットの使用もできるフローリング材のため、頻繁な張り替えが不要になるのもうれしいポイントです。
- リフォーム費用:約34万円
【80万円】和室とリビングをつなげて広々
「今よりも使い勝手の良い空間づくりをしたい」「夏は涼しく、冬は暖かいリビングにしたい」といった施主様の要望に応え、隣接した和室を洋室にリフォームしてリビングを拡張。
広々としたリビングの床材には、自然素材の魅力を楽しめる無垢フローリングと床暖房を採用し、おしゃれで快適なリビングを実現しました。
- リフォーム費用:約80万円
【150万円】内装と窓のリフォームで明るい空間に
間仕切り壁と欄間付き窓の影響で、どことなく閉塞感があったリビングをすっきりとリフォーム!
不要な壁や欄間を取り除き、南側の大窓からは明るい光が差し込むようになりました。昼間は電気を付けなくても、快適に過ごせる空間に。床材は無垢のオーク材に張り替えました。
さらに壁にカウンターを設置してちょっとしたワークスペースも確保。このワークスペースは、お子様が小学生になったら勉強スペースとしても活用される予定です。
- リフォーム費用:約150万円
【250万円】リビング・キッチンの間取り変更で使い勝手が向上
薄暗くなりがちな独立型キッチンを解体し、大きなLDKへと間取り変更を行いました。
こだわりの特注キッチンが目を引く対面型のキッチンで、家族とのコミュニケーションもスムーズに。さらにLDK全体の壁紙と床材も張り替えたことで、室内の雰囲気が一新されました。
- リフォーム費用:約250万円
リビングのリフォームを検討するタイミングはいつ?
リビングのリフォームを検討するタイミングは、人それぞれです。「経年劣化が目立ってきた」「今のリビングでは使い勝手が悪くなってきた」などの理由から、リフォームを検討する人が多いでしょう。
ここでは、リビングリフォームに適した時期について解説します。
内装リフォームは10~15年をひとつの目安に
リビングのリフォームに適した時期のひとつは、内装の劣化が気になり始めたタイミングです。
一般的な壁紙は、5年~10年を目安に壁紙の傷や汚れ、くすみなどが気になり始めます。また、フローリングは10年を超えるころから、表面の劣化や軋みなどが生じることがあります。
そのため、リビングの内装リフォームのタイミングであれば、築10年~15年をひとつの目安にしてもいいでしょう。
ただし「床の一部が踏むたびにギシギシと音を立てる」「フローリングの一部が沈んでいる」といった場合は、下地に劣化や不具合が生じているケースもあります。
築10年未満でもリビングの劣化が気になる場合は、一度リフォーム会社に相談してみるのもおすすめです。
ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて
「子供が増えて、リビングが手狭になった」「もっと過ごしやすいリビングにしたい」など、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて、使い勝手の良いリビングにリフォームするのもいいでしょう。
隣接する和室を洋室にリフォームすれば、広々としたリビングとして活用できます。押入れをクローゼットに変更すれば、収納が増えてすっきりと使いやすいリビングに整えることもできるでしょう。
また、昔ながらの戸建て住宅では、キッチンとリビングがそれぞれ独立している間取りも少なくありません。
独立型キッチンの場合、どうしても料理をする人が他の家族とコミュニケーションをとりにくくなります。さらに、ダイニングとも壁で仕切られている場合は、料理を運ぶ手間もかかります。
時代に合わせて、過ごしやすいリビングを目指すのであれば、仕切り壁の撤去などでLDKの間取り変更を検討してみるのもおすすめです。
おしゃれなリビングに!リフォームのポイント
せっかくリビングをリフォームするのであれば、心地よく過ごせるおしゃれな空間を目指したいものです。そこでここからは、おしゃれなリビングを実現するリフォームのポイントについて紹介します。
住まいのデザインテイストを決める
まずは、目指したいリビングのデザインテイストを決めましょう。人気のデザインテイストには、以下のようなものがあります。
- シンプル
- モダン
- 和モダン
- ナチュラル
- 北欧風
- アメリカンスタイル
さまざまなインテリアと調和しやすいシンプルなデザインテイストは、流行に左右されない洗練された雰囲気が魅力です。
来客からも褒められるワンランク上のリビングを目指したいのであれば、都会的なモダンテイストや個性あふれる和モダンテイストを目指してみてはいかがでしょうか。
ナチュラルや北欧風、アメリカンスタイルを取り入れれば、おしゃれなカフェのような空間づくりを楽しめます。
壁紙や床材の柄・素材にこだわる
リビングの印象を大きく左右するのは壁紙や床材といった内装素材です。
例えば、リビングの一部の壁紙に柄や色のあるアクセントクロスを使用すると、印象的で奥行きのある空間づくりができます。
また、天然木のぬくもりを感じられる無垢フローリングを採用すれば、ナチュラルな雰囲気のリビングに仕上がるでしょう。
リフォーム事例をチェックしてイメージを明確にする
リビングのリフォーム工事には、さまざまな種類があります。そのため、具体的な事例をチェックして、工事内容や費用、仕上がりのイメージを確認してみることが大切です。
特に築年数や間取り、家族構成が近い事例であれば、リフォームの目的にも共感できる部分が多いはずです。
ぜひ、実績豊富なリフォーム会社のホームページなどで、さまざまな施工事例をチェックしてみましょう。
リビングリフォームで失敗しないために信頼できるリフォーム会社に相談しよう
マイホームの主役ともいえるリビングは、いつでも心地よく快適に過ごせる空間にしたいもの。経年劣化や使い勝手の悪さを感じ始めたら、リビングのリフォームをするタイミングかもしれません。
リビングのリフォームには、さまざまな工事があり、費用相場も50万円以下から総額300万円近くまでと幅広いことが特徴です。
まずはリビングリフォームの目的を明確にしたうえで、実績豊富なリフォーム会社に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。