【玄関・室内】ドアのリフォームを徹底解説!交換方法や費用相場は?

室内リフォーム

玄関や室内のドアは、日々開閉を繰り返すため、年月とともに劣化していきます。また、家族構成やライフスタイルの変化によっても、ドアの使い勝手は変わります。

そこでこのページでは、住宅のドアの交換・リフォームについて詳しく解説します。ドア交換の方法や費用相場、リフォームのポイントなどを紹介しています。ドアのリフォームで利用できる補助金制度についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

リフォーム前にチェック!ドアの種類と特徴

ドアのリフォームを検討する際は、事前にドアの種類やそれぞれの特徴について理解しておくことが大切です。そこでまずは、住宅で使用されるドアの種類について詳しく見ていきましょう。

開き戸

開き戸とは、前後に開閉する一般的なタイプのドアです。住宅の玄関や室内ドアなどに、幅広く使用されています。

開き戸は気密性や遮音性が高く、室内を快適な状態に保つことが可能です。床や天井にレールを設置する必要がないため、ほこりが溜まりにくく、お手入れも簡単です。

ただし、ドアの前後に開閉のためのスペースが必要になります。そのため、ドアの周辺に十分なスペースを確保する必要があること、ドアの可動域はデッドスペースになることに注意しましょう。

引き戸

引き戸とは、左右にスライドさせて開閉するタイプのドアです。住宅の室内ドアを中心に採用されており、玄関ドアにも使用されています。

引き戸は床と天井にレールが設置されており、弱い力で開閉可能なため、小さなお子さんやご高齢の方でも使用しやすいことがメリットです。また前後の開閉スペースが必要ないため、空間を効率的に活用できます。

ドアの前後の開閉スペースは不要ですが、ドアを引き込むスペースが必要になること、引き込み部分は通常の壁としての使用が難しい場合があることに注意しましょう。

折れ戸

折れ戸とは、ドアが折りたたまれるように開閉するタイプで、開き戸に比べると開閉のためのデッドスペースが少なく済みます。しかし、開き戸や引き戸に比べると、開口部が狭くなるため、玄関ドアや室内ドアでの採用は多くありません。

折れ戸は、浴室やクローゼットなど省スペースでの設置が必要となる場所で利用されているのが一般的です。

断熱ドア

断熱ドアとは、開口部の断熱性を高めることを目的としたドアです。一般的なドアよりも厚みがあり、断熱材が充填されています。断熱ドアを採用することで、室内の断熱性が高まり、室内温度差の軽減や冷暖房効率の向上、結露の抑制効果などが期待できます。

断熱ドアは、主に外とつながる玄関ドアで利用されています。

防音ドア

防音ドアとは、ドアとドア枠、床とのすきまを埋めるように、ドアの縁にゴムパッキンが取り付けられているタイプです。ドアの厚みも一般的なタイプよりも厚く、振動しにくい素材が使用されています。

防音ドアは、主に室内ドアに使用されており、楽器演奏のための部屋を設けたい場合などに採用されています。

ドアのリフォーム・交換方法

ドアのリフォームには、主に次の3つの交換方法があります。

  • カバー工法による交換
  • ドア枠を含めた交換
  • ドアの種類変更

それぞれの工事内容について、詳しく見ていきましょう。

カバー工法による交換

カバー工法とは、既存のドア枠はそのままに、上から新しいドアの枠を取り付けてドアを設置する交換方法です。

カバー工法は大がかりな工事を必要とせず、交換は1日で完了します。工事による騒音や粉じんが少なく、また既存のドア枠の取り外し作業がないため、壁や床を傷める心配も少ないことがメリットです。

ただし、カバー工法の場合、既存のドア枠の上から新たにドア枠を取り付けるため、従来よりもドアが一回り小さくなってしまう点に注意しましょう。また、どうしてもドアの下に段差ができてしまいます。段差を解消するためには「段差緩衝材」の設置が必要です。

ドア枠を含めた交換

既存のドア枠が劣化している、ドア自体を大きくしたいといった場合には、ドア枠から交換する方法を採用します。

ドア枠からの交換となると、周辺の壁や床の一部を解体する必要があります。そのため、カバー工法に比べると大がかりな工事となり、費用が高くなったり工期が長くなったりするのが一般的です。

その分、リフォームの自由度は高くなるので、ドア交換に伴い、ドア周りの内装の変更、玄関周りのリフォームなどを同時に行うケースも多くあります。

ドアの種類変更

ドアの種類変更とは「開き戸から引き戸」「引き戸から開き戸」への変更のことです。最近では、バリアフリー化に伴い、開き戸を引き戸に変更するリフォームも増えてきています。

ドアの種類変更でも、製品によってはカバー工法による交換が可能です。ただし、開き戸を引き戸に変更する場合は、スライドしたドアを引き込むスペースが必要になる点にも注意しましょう。

ドアの位置や周辺のスペースによっては、カバー工法ではなく、壁や床の一部を取り壊してのリフォームが必要になります。

【玄関ドア】リフォーム・交換費用の目安

工事内容費用相場
カバー工法による交換20万円~50万円
ドア枠を含めた交換30万円~60万円
ドアの種類変更50万円~80万円

カバー工法による玄関ドアの交換は、ドア周辺の取壊しが必要ないため工事費用を抑えられます。また、ドアの種類変更の場合も、製品によってはカバー工法での工事が可能です。

ただし、機能性の高いドア(断熱ドアなど)に変更する場合や、ドアのサイズを大きくしたい場合などは、費用が高くなりやすいので、事前に予算を確認しましょう。

【室内ドア】リフォーム・交換費用の目安

工事内容費用相場
カバー工法による交換7万円~20万円
ドア枠を含めた交換10万円~25万円
ドアの種類変更20万円~35万円

一般的に、室内ドアのリフォーム・交換は、玄関ドアの交換よりも費用は安くなる傾向があります。カバー工法であれば、10万円以内での交換も可能です。玄関ドアと同じく、ドアの種類変更でも製品によってはカバー工法での交換が可能です。

ただし、引き戸のドアを収納する「控え壁」を新たに作る場合などは、工事費用が高くなります。また、防音ドアへの交換も、ドア自体の価格が高いため工事費用は高くなるでしょう。

ドアのリフォーム・交換にかかる期間

ドアのリフォームの期間は、交換方法や工事の内容によって異なります。

  • カバー工法による交換:1日
  • ドア枠を含めた交換:2日~5日
  • ドアの種類変更:1日~5日

基本的にカバー工法による交換であれば、玄関ドアでも室内ドアでも工期は「1日」で済むでしょう。ドアの種類変更でも、カバー工法が可能なら工事は1日で済むケースが一般的です。

ただし、ドアのサイズ変更などを伴う場合は、周辺の壁や床の取壊しなどの作業が発生するため、工期は5日ほどかかるケースもあります。

ドアのリフォーム・交換のタイミングは?

ドアのリフォームのタイミングは、ドアの状態は不具合が出ている箇所によっても異なりますが、玄関ドアの場合は築30年前後をひとつの目安と考えましょう。

室内ドアであれば、内装リフォームのタイミングとあわせて、築10~15年前後で検討するのがおすすめです。

ただし、ドアのリフォーム・交換の理由は、ドアの劣化によるものだけではありません。「子供が生まれた」「高齢のご家族と同居が決まった」「将来に備えてバリアフリー化したい」など、家族構成やライフスタイルの変化によっても、ドアのリフォームが必要になる場合があります。

【玄関ドア】リフォームのポイント

ここからは、玄関ドアのリフォームで快適な住まいをつくるためのポイントを紹介します。

防犯性や断熱性にもこだわる

玄関ドアは、外とつながる部分です。見た目の印象や使い勝手はもちろん、安心安全な住まいづくりのためには「防犯性」や「断熱性」といった機能性にもこだわることが大切です。

警察庁が発表した「令和3年の刑法犯に関する統計資料」によると、空き巣の侵入方法のうち「施錠開け・ドア錠破り」は、全体の約14%になっています。玄関ドアの防犯性能が高まっていることから、年々この割合は低下していますが、それでもピッキングやサムターン回しといった手法で侵入する空き巣がいることも事実です。

玄関ドアの防犯性に不安を感じる方は、リフォーム・交換の際に防犯性の高いドアへの交換を検討しましょう。

また、玄関は屋外とつながる開口部です。窓・サッシ・ドアの大手メーカーであるYKK AP株式会社の調べによると、夏に流入する熱の割合は、玄関ドアが74%と大半を占めています。また、冬に流出する熱の割合も、玄関ドアが50%を占めています。

このことからも、玄関ドアの断熱性を高めることは、快適な室内温度を保つために重要なポイントだといえます。

外観との調和を意識する

玄関ドアは、住まいの第一印象を左右するパーツでもあります。リフォームの際は、外壁や屋根、玄関周りのエクステリアなど、住まいの外観と調和するデザインを選びましょう。

シンプルやナチュラルなデザインテイストの住宅の場合、玄関ドアもシンプルなデザインを選ぶまとまりが生まれます。また、木目調の玄関ドアであれば、外観のアクセントにもなるでしょう。

ブラックの外壁カラーや金属サイディングの外壁などを採用したスタイリッシュな住宅であれば、ダークカラーの玄関ドアですっきりとした雰囲気をつくるのもおすすめです。また、光沢感のある玄関ドアなら、高級感もプラスされるでしょう。

マンションの場合は管理規約を確認

一戸建ての場合、玄関ドアの交換・リフォームは家主の意向で実施できます。しかし、マンションの場合はそもそも玄関ドアのリフォームができない場合があります。

マンションのリフォームは、マンションの「専有部分」に限られます。専有部分とは、室内の床や壁、設備などの居住部分を指します。

一般的に玄関ドアは、室内側が専有部分、室外側は共用部分に該当します。ドアの内外で所有権が異なるため、住人の意向だけでドアそのものを交換したり、鍵を交換したりすることはできません。

マンションの管理組合から承認が得られれば、リフォームできる場合もありますが、稀なケースといえるでしょう。そのため、マンションにお住いの場合は、まずは管理規約を確認することが大切です。

【室内ドア】リフォームのポイント

続いて、室内ドアのリフォームポイントを見ていきましょう。

内装との調和を意識する

室内ドアのリフォームの際は、床材や壁紙、建具の種類や色との調和を大切にしましょう。それに加えて、インテリアや家具との相性も重要です。

室内ドアのデザインを選ぶ際は、ドアの素材や色に加えて、ハンドルやガラス窓の有無などをチェックします。とくに、ドアの素材や色は、床材か壁紙クロスの色味と調和するものを選ぶのがおすすめです。

ドアをインテリアのアクセントにしたい場合は、デザイン性の高いハンドルを採用したり、ガラス小窓やスリットなどが入ったタイプを選んだりするといいでしょう。

開放感や採光性を求めるならガラスドアもおすすめ

開放感や明るさを取り入れたいのであれば、ガラスドアを採用するのもひとつの方法です。一般的な住宅の室内ドアで採用されるガラスドアは、ドアの一部がガラスになっているタイプです。

大きなガラスがついているタイプは採光性に優れており、室内に明るい光を取り入れてくれるので、リビングのドアにもおすすめです。

小さめのガラス小窓がついているタイプであれば、室内のプライバシーを守りながら、適度に中の様子がわかるため、子供部屋のドアとしても適しています。

ドアの種類変更の際は周辺スペースを確認する

室内ドアの種類を変更する場合は、開閉に必要なスペースが十分確保できるかを確認しましょう。

例えば、引き戸から開き戸に変更する場合、ドアの前後に開閉スペースがあっても「ものが置けなくなる」「人が通りにくくなる」など、使い勝手が悪くなる可能性があります。

また開き戸から引き戸に変更する場合、引き戸のドアを収納するスペース(控え壁など)が確保できないと設置が難しくなります。

ドアのリフォームで利用できる補助金制度

ドアのリフォームや交換でも、補助金の利用が検討できます。ドアのリフォーム・交換の場合、主に「バリアフリー」や「省エネ住宅」にかかわる工事が補助金の対象となります。

ここからは、ドアリフォームで利用できる代表的な補助金制度を紹介します。

※補助金に関する記載は2023年2月現在の情報です。最新の情報については、各公式サイトにてご確認ください。

介護保険における住宅改修

社会保険である介護保険制度は、各市町村が運営しています。介護保険では「介護が必要」と認定された場合に必要な給付が受けられますが、そのひとつが「介護保険における住宅改修に対する補助金支給」になります。

対象となる工事(ドアのリフォームの場合)

  • 引き戸などへの扉の取替え

支給限度基準額および補助上限

  • 支給限度基準額:20万円
  • 補助上限:18万円(支給限度基準額の9割)

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業とは、子育て世帯や若者世帯を中心に、省エネ住宅の取得をサポートするための国の補助金制度です。新築住宅だけではなく、既存住宅の省エネリフォームでも利用でき、リフォームの場合すべての世帯が対象となります。

対象となる工事(ドアのリフォームの場合)

  • 「開口部の断熱リフォーム」におけるドア交換

※改修後の開口部の熱貫流率および日射熱取得率が、一定の基準値以下となる工事が対象。
※既存のドアを取り除き、新たなドアに交換するもの、および新たにドアを設置するものをいう。

補助上限

  • 原則、1戸あたり30万円

※所定の条件を満たした場合、最大60万円まで引き上げ。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、エネルギー消費効率の改善と低炭素化の促進を目的として、高性能建材を用いた断熱改修を支援する国の取り組みです。指定された補助対象となる製品を用いて、所定の条件を満たした場合に、補助金が支給されます。

補助対象となる製品(ドアのリフォームの場合)

  • 「熱貫流率」「戸と枠の組み合わせ」などの項目が、指定の条件を満たしており、一般に入手できる製品を用いたドア交換

補助率及び補助金の上限額

  • 補助率:補助対象経費の1/3以内
  • 補助金の上限額:5万円

ドアリフォームで失敗しないために信頼できるリフォーム会社に相談しよう

ドアのリフォームや交換を検討する際は、事前にドアの種類ごとに特徴やメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。そのうえで、家族構成やライフスタイルなどに合わせて、適切なドアを選びましょう。

またドアのリフォーム・交換費用は、工事の内容やドアの機能によっても異なります。詳しい費用を知りたい場合は、まずは実績豊富なリフォーム会社に相談してみることから始めましょう。

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